Q:「宿題をしないので、いつもケンカになります。」

保護者 「宿題をしないので、いつもケンカになります。宿題をしたら、ご褒美シールをノートに貼ってあげているのですが、あまり効果がありません。どうしたらいいですか?」

鈴田 基本的なところからの確認ですが、せっかく宿題をするのであれば、身につけてもらいたいところを明確にするのはどうでしょうか。例えば、家庭学習をする習慣を身につけることを目標にするのか、学習内容理解の補完を目標にするのか、よい姿勢を目指すのか、字を綺麗に書くことを目標にするのか、などです。どうしても、すべてを求めてしまいがちで、せっかく書いていても「もう少し綺麗に書いて、姿勢が崩れてるよ」など言いがちです。

保護者 「そうはいっても、宿題だから、やらせないといけないし、綺麗に書かないと意味がないと思います」

鈴田 そうですね。最終的には、綺麗な字で、良い姿勢で、集中して、学習の理解に取り組むことを目標にします。ただし、すべてを一度に求めると、かえって獲得するのに苦労したり、学習に対する拒否感が強まったりするかもしれません。

保護者 「じゃあ、汚い字で書いていてもいいんですか?」

鈴田 技能を身につけたり向上させたりするのには、一つに絞っていくことが効果的なことがあります。学習内容を理解しようとすることと、字を綺麗に書くということは、子どもの状態によっては、両立しにくいかも知れませんね。優先するものによっては、すべてを今の目標にするのではなく、いくつかを今後の目標にすることも必要かと思います。

保護者 「でも、学校で決まっていることなんです。やらないといけないんですよ」

鈴田 宿題に何を求めるのか(子どもに何を達成させ、どのような力を身につけるか)、何を優先するのかを、学校の先生とお子さんと相談して、目標に合わせて宿題の量や内容を調整することはどうでしょうか。学校の先生に負担をかけない範囲で、家庭内で調整するなどの提案をしていみる価値はあると思います

保護者 「宿題の量を減らしたりして、学習が遅れないでしょうか?」

鈴田 学習内容の理解を進めるためには、理解の程度に合わせて課題そのものを子どものレベルに合わせて調整したり、大人が理解の手助けし、徐々に自分で考えさせていくことが効果的と思います。宿題全部をその方法でやるのではなく、教科や項目を絞ってみてはどうでしょうか。学習の定着も、お子さんのレベルにあわせて設定し、単純作業にならないことが大切でしょう。

保護者 「なんだか宿題をさせてなくてもよい気がしてきました。ケンカするくらいなら、やらせなくてもいいんでしょうか?」

鈴田 繰り返しになりますが、何を目標にしているのか、その目標を学校の先生とお子さんと話をしてみてください。あくまでも、最終目標に到達するための、途中経過です。また、学級の子どもたちのとの関係もありますから、それなりの代替案(今は○○を頑張っています。それができるようになったら、○○を頑張ります)等の取り決めが必要になるかも知れません。