ある特別支援学校の生徒さんのつぶやきです。
大人になるのはいやです。
中くらいでイイです。
中くらいだったら自分のお金でお買い物しなくてお母さんの財布でお買い物が出来ますか?
でもこどもだったら光とともにの光君のようになるから僕は怒ったりしないからこどもにはなりません。
かっこわるいからこどもではない。
中くらいがイイです。
お仕事の卒業はいつですか?
お給料はいっぱいもらえますか?
がんばるってなんですか?
いいあいさつは大人ですか?
いろんな情報が混在しているこの時期。
今まで
ビデオが壊れればお母さんが修理してきてくれました。
パソコンはいつもインターネットが出来るようになっていました。
土日は行きたいところへ連れて行ってもらいました。
おやつが食べたければ棚を開けて食べました。ご飯は好きなおかずがいつもありました。
お風呂は一人でのんびり入りました。
レンタルビデオもお母さんに借りてもらいました。
誕生日、クリスマス、おこずかい楽しい行事がありました。
夏休み冬休み春休みがありました。
これから先どのような生活が待っているのでしょう。
通所施設 入所施設
彼には多くの施設見学をいっしょにして貰いました。
はじめは「入所施設=ホテル」。インターネットやテレビ見放題できれいな部屋に一人楽しんでいる自分の姿が思い浮かんだようです。見学後は・・・・・想像とは違った様子。
「通所施設=学校とにている」。想像と同じ印象だったようです。でも運動会がないのは気に入った様子。「お給料は何万円ですか?」と施設長さんに積極的に聞いたまでは良かったのですが。やはりイメージとは違った様子。兄弟と同じようには貰えないですよね。
その後彼は「他の施設をみたい」と。いくつかみて見た中から決めてみようというと落胆の色を隠せないようでした。
ドラマなどで情報は入ってきますよね。華やかな大学生活。楽しそうなバイト。会社かえりの仲間同士の飲み会。女の子とのカラオケ(合コン?)時には極端な情報も。その情報の整理が難しいこともある彼ら、いろんな思いが心の中にあったようです。
彼は4年前まで自己主張が難しく「いや」といえないタイプでした。
この4年で自己主張できるようになり今自分の思いを表現してくれています。
この4年も大変な努力を重ねてきた彼。
レストランに行って食べるものは
( )ハンバーグ
( )カレーライス
を選べるようになるまでの彼の勇気と努力はすごいものがあったと思います。
そんな彼が教えてくれたこと。
「わからないこと」「混乱していること」がいっぱいあるということ。
私たちが当たり前だと思っていることが彼らには当たり前でないこと。
親亡き後も彼らの生活は続きます。
将来を見通したご本人への説明はこれから先も続きます。
わかりやすく伝えることが私たちの使命ではないかと最近思っています。